奥深いソーセージの世界へようこそ〜。
久しぶりに自家製ソーセージの作り方を改めます。って言っても最後にブログに記事をのせてから作業の行程など大きく変わったと思います。
今回の記事も長いですよ〜。暇つぶしにどうぞ〜
現在HAPPY cafe 食堂で提供しているソーセージ。もちろんホットドックもあります。
過去に作ったソーセージの写真を発見したのでのせておきますね。横浜にいた頃から比べると数段レベルアップ(自称)したソーセージ作りです。
仕上がりの具合にかなりの差があるのですが、数年間悩み、勉強した成果(自己満足)です。まだまだ、勉強不足な所や改善点は多々あるのですがこれからも『今の出来』に満足せず進化を求めて行きたいと思います。
やはりこの言葉が合います
『継続は力なり』
では、ソーセージの材料です。自然な味わいを出そうと心掛けており、体に不要な物は取り入れない。と言う事で化学調味料や添加物は一切使用しません。ソーセージの皮も人工ケーシングでは無く塩漬けの天然羊腸を使用しています。
【材料】
Aやまゆりポークのウデ肉の塊1kg(脂身と赤味の割合は2.5:7.5〜3:7くらい)
やまゆりポークの背脂100g
粗塩20g
甜菜糖10g
B白コショウ1.5g
ナツメグ1g
ローレル2g
Cタマネギ30g
にんにく10g
ショウガ10g
D水180cc
E羊腸2m

まず、ウデ肉の塊を小さく切り分け、背脂をみじん切りにします。それぞれを半分に分けて冷凍庫で冷却します。冷凍庫に入れるのは以前も書きましたが、作業中の温度上昇から肉を守る為でスタート地点の温度が低ければ低いほど時間に余裕が生まれます。
お肉を冷却している間にスパイスなどその他の材料の準備をします。
Aの粗塩、甜菜糖は半分ずつ計り分けます。
Bも同様に計り半分に分けます。
Cは摩り下ろしDの水と一緒に火にかけ少し煮てから冷蔵庫で冷ましこれも重量で良いので半分に分けます。これをFとします。
最後にEの羊腸はぬるま湯に浸け塩抜きをします。
あっ!後、フードプロセッサー、ミキサー、スタッファーの準備もしましょう。ミキサーのボウル、スタッファーのシリンダーは冷凍庫で冷やしておく事をお薦めします。
では、本格的な作業を始めます。
↓はい!ここ試験に出ますよ〜。↓
まず肉をフードプロセッサーにかけ細かくします。お肉の温度が上がらないよう(8度以下をキープ)手早く作業をし、ある程度細かくなったらAの粗塩と甜菜糖を入れ更にフードプロセッサーでお肉と粗塩、甜菜糖をよ〜〜〜く馴染ませるように撹拌します。ココが上手に出来れば経験上失敗を恐れる事はありません。
この作業が今までのソーセージ作りと決定的に違う個所です今まではフードプロセッサーで細かくした肉をミキサーに移してから粗塩や甜菜糖、スパイス、水などを加えて練っていましたが、この方法だと時間もかかるし(夏場は特に肉の温度が上がる)粘りが十分に引き出せない事が多く失敗作になってしまう事が多々ありました。
写真の右は粗塩と甜菜糖を加えたモノ、左は粗塩と甜菜糖が入っていません。ご覧の様に色艶はもちろん仕上がりに大きな違いが出ます。
いろいろ調べた結果ですがソーセージに使うお肉に予め塩を擦り込み熟成させてから作る方のレシピを拝見させて頂いた時に気が付きました。
自分の解釈ですが、肉の粘りを出す為にはある程度の塩分が必要な訳で、その他スパイスや水と一緒に練ると折角使う塩の力を十分に引き出す事が出来ない。肉の粘りとはもちろん糸を引く様なものでは無く生ハムの食感の様なねっとりとしたモノの事です。
色々考えて出した答えは正解でした。
塩とその他のスパイス、水を分けて間隔をおいて加える事で肉の粘りはネットリと貼り付くように格段に強くなりました。
お肉は半分(500g)に分けてあるので撹拌作業を2度(合計1kg分)行って下さい。終了したらバットに移して冷凍庫で一時保管。この時、お肉は合わせずに500gずつ分けて置いておきましょう。
この間にミキサーの準備です。ミキサーのボールなど直接お肉に触れるものは冷凍庫に入れて冷やしておきましょう。
FそれぞれにBを加え混ぜておきます。混ぜたモノをGとします
冷凍庫から肉を取り出し、まず500gミキサーにかけます。
すぐにGを加えお肉と水分が馴染むまでひたすら混ぜます。残りのお肉を500gとGを加え良〜く混ぜ撹拌します。
全体が混ざったらお肉をスタッファーのシリンダーに気泡が混ざらないように詰め冷凍庫に戻し腸詰の準備に入ります。
スタッファーのノズルに塩抜きしたEの羊腸を装着。
羊腸の原産国はオーストラリア、ニュージーランド。1ハンクと言う単位で長さにすると約91m(いったい何本のソーセージが作れるのか見当もつかない長さです)。
腸の直径は19mmから21mmのモノを使っています。仮に19mmと21mmのモノを並べてると太さが結構違います。わずか2mmの違いですが侮れません。この辺りは自然のモノを使用しており羊の個体差から出るものなのでご容赦ください。太さの違いについては私自身も腸詰をしてみないと分かりません。『前回は太かったのに!!』って怒らないでくださいね。
ここからは時間の勝負です。一気に詰めましょう。
肉を詰めて送り出した羊腸は捻じったり極端に曲げないように気をつけましょう。しっかり詰めた羊腸は非常に脆く破れやすいです。
詰めたら捻じって成形。長さはお好みで。腸詰の具合にもよりますが長すぎると締りが悪くなりますし、短すぎると捻じりの際に腸が破れてしまいます。また、腸を捻じり過ぎると捻じられた場所に大きな圧力が掛かり羊腸が破れやすくなるので捻じり過ぎにもご用心。1か所2〜3回程度で十分だと思います。
腸詰から茹で始めまでは途中でお肉を冷凍庫に入れる事は出来ません。一刻を争う作業です。
成形が終わったら15分間じっくりと下茹でします。温度は65度から70度の間を保って下さい。チョット目を離すとあっと言う間に温度が上がりますが75度を絶対に超えないように気をつけましょう。
75度それは超えてはならないラインです。
何故かと言うと脂が解けて旨味が逃げてしまうんですよ。100点満点中90点のソーセージを作りたかったら最後に気を抜いてはいけません。
私なりのソーセージ作りの成否の目安は茹でている最中のソーセージに押し返す様な弾力がある事と茹で汁に脂が浮いてこない事です。
最初の作業で肉の温度を上げず(8度以下をキープ)粗塩と甜菜糖が十分に混ざり粘りが出ていれば脂は浮いて来ません。(もちろん下茹でまでの行程で室温に置いておくなどした場合はその限りではありませんよ)
押し返してくるような弾力が無かったり、茹で汁に大量の脂が浮いたりしている時は失敗です。
まず、取り返しは付きません。諦めましょう。
未熟者の私ですらこの1kgのお肉でソーセージを造るのに下準備から2時間ほどかかります。この時間を無駄にしない為にも細心の注意を払って作業を進めましょう。
15分たったら鍋から熱湯を捨てつつ水を加え最後に氷で満たして一気に冷却します。
30分ほど放置して十分冷えたら捻じりを解いて切り分け表面に残った水分を軽く切ってからキッチンペーパーを引いたバットに重ならないようにソーセージを並べ『ラップなど覆いをせずに』冷蔵庫に1晩ほど置いておきます。
この行程も最近取り入れた事ですが冷蔵庫の冷気でソーセージの表面が乾燥するので食べる時のパリッとした歯ごたえを作る事が出来ます。
スモーカーや寒風に当てて乾燥させる作業は温度管理など神経を使いますが冷蔵庫は温度も一定ですので大きな心配をせずに他の作業に集中できます。
一晩(表面が水っぽかったらもう少し)たったらフリーザーバックなどに入れて冷凍すれば保存もできます。
ご家庭の場合は冷蔵庫に入れて解凍してから焼くとパリッとしたジューシーなソーセージを味わう事が出来ますよ。
非常に大がかりな作業ですが、美味しいソーセージを作ってみませんか?
あとがき
基本的に一人でこの作業を行っている為、写真の撮影が出来なかった部分があります。後日、写真を追加いたします。
申し訳ありません。