2013年04月17日

【レシピ】ソーセージ作り〜♪

皆さんこんばんは。マコトです。

今日はソーセージ作りのご紹介です。簡単そうで難しい奥深いソーセージ作りの世界です。皆さんも機会があればチャレンジしてみてください。
完成した時の充実感・・・手作りで無いと味わえない感動があります。
以前も触れたかもしれませんが、ソーセージ作りは横浜でバーをやっていた時から取り組んできました。つい先日まで失敗の連続・・・どれだけのお肉を使った事か・・・そのお肉の犠牲と研究の上に今HAPPY cafe 食堂で提供しているソーセージがあります。血と汗と涙の結晶を味わって下さい。

今回はホットドックに使う長いソーセージの作り方です。これは燻製をしないフレッシュ仕上げと言われているものです。
まずは材料。羊腸、挽肉、スパイス、冷水です。
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ソーセージを詰める羊腸。羊の腸の塩漬けです。よくお客さんに『ウインナーとフランクフルトの違いは?』なんて聞かれますが、一般的な違いは使う腸とそれから来る太さです。ウインナーは羊腸を使い太さが20o未満、フランクフルトは豚腸を使い太さが20o以上36o未満、さらに太いものでボロニアソーセージは牛腸で太さが36o以上とされています。ウインナーはオーストリアのウィーン、フランクフルトはドイツのフランクフルトと、それぞれの都市の代表するソーセージからその名前が来ているそうです。ちなみにこの袋で4mほどの長さがあります。
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使うお肉はもちろん『やまゆりポーク』HAPPY cafe 食堂ではロース肉を使います。塊の写真を撮るのを忘れたのでフードプロセッサーで挽肉を作っている時の写真です。
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それ以外の材料でスパイスです。粗塩、三温糖、白コショウ、オニオンパウダー、ガーリックパウダー、ジンジャーパウダー、ナツメグ、ローレルパウダーです。市販品には色々と調味料が入っていますが、化学調味料や保存料を使わないのもこだわりです。手作りソーセージでは粗塩が保存料の代わりをしてくれます。とは言え市販品ほど日持ちはしませんので冷凍するなどの対応が必要になりますが・・・
()2014年から材料が変更になりました。
粗塩 ⇒ 焼き塩
オニオンパウダー ⇒ 玉ねぎの絞り汁
ガーリックパウダー ⇒ ニンニクの絞り汁
ジンジャーパウダー ⇒ ショウガの絞り汁
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ソーセージ作りで大事なのはお肉の鮮度です(←あたりまえ)。鮮度が悪いと挽肉を練る時に粘りが出ない事もありますし、獣臭さが出てしまう事が多々あります。最近、私が行きついたのは作る工程すべてにおいて温度管理が大事と言う事です。もちろん、お肉の温度が上がると傷みが出て衛生的にも問題ありです。それ以外にも、多少の温度上昇でも赤味と脂身が分離して食感が悪く美味しくないソーセージが出来あがって精神的にも辛い失敗と言う脱力感を味わう事になります。良く言われるのがお肉の温度は10度以下がベスト。それ以上になると失敗の道を突き進む事になります。細かい事を言うとフードプロセッサーのモーターの熱でもお肉の温度が上がりますのでフードプロセッサーの使い過ぎにも要注意です。
私はソーセージ作りをする時に、塊肉を小さく切り分け冷凍庫で半冷凍くらいまでお肉を冷やします。そして手早くフードプロセッサーで挽肉を作り再び冷凍庫へ(ここでは機械の準備の短い時間だけ)入れて温度上昇を最小限に抑えています(いるつもり)。
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挽肉をボウルに入れ氷水を入れた一回り大きなボウルで冷やしながら挽肉を練ります。この機械はMIEさんがパン作りに浸かっていた機械のお下がりをソーセージ専用機として使っています。『手で練ればいいじゃん』と思う人もいると思いますが、手の温度(体温)って何度か知ってます?その熱もソーセージ作りにとっては致命傷です。私が所有するソーセージ作りの本には『氷水に手をつけて温度を下げる』などと罰ゲームの様な事が書いてありますが、こう言う機械を使うとか後は木のヘラを使うとか、とにかく材料を冷やしつつ、または温度を上げない工夫を随所にこらす事で美味しいソーセージに近づきます。練り終えて挽肉がねっとりとしてきたら再び冷凍庫に入れます(ここも短時間)。
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さっきの羊腸(だいぶ前の話の様に感じるが…)を水にさらして塩を取り除き機械に装着します。私はミートミンサーに専用ノズルを付けて腸詰を行っています。手動なので詰め具合を見ながら作業を行えます。こんな機械は無くともケーキ作りに使う絞り袋にソーセージ用の口金を付けて腸詰をする事も出来ます。私は以前はこの方法で腸詰を行っていましたが、手が直接触れるなど温度管理が難しく真冬限定でしかソーセージ作りが出来ませんでした。
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ヘラで投入口に肉をぐりぐり詰め腸詰を行います。この時も氷を使い機材を冷やしながら作業を手早く行います。最初にこの絵を見る人はグロイねと言いますよ(笑)
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写真はチョリソーを作った時のものです。作業内容は全く一緒です。
4mの腸に詰める肉の量はだいたい1.2kgくらい。もっとも長いソーセージを作るか、皆さんがよく目にするウインナーくらいの長さのソーセージを作るかで腸に詰める量が変わるので1.2kgと言うのは私がホットドック用の長いソーセージを作る時に使う量です。『何でソーセージの長さで量が変わるのか??』その答えは腸の張りが大事だからです。書き忘れていましたが、腸は非常に脆いです。ちょっと力を入れると簡単にに破れてしまうデリケートなものです。成形(ひねり)の時に力が加わるのですが、腸にお肉をパンパンに詰めた場合、短い間隔で成形すると肉がさらに詰り行き場が無くなったお肉が腸を破って飛び出してきます。長い間隔で成形する場合は長い分ゆとりがあるので破ける事はそうありません。ですので一般的には長いソーセージは10割詰めで短いソーセージは8割〜9割詰めで腸詰を終えるのが良いと言われています。用途によって詰める割合が変わるので使うお肉の量も変わると言う事です。
意外と繊細なんですよ。これ。
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集中力を最大限に高めて慎重に成形し鎖状にしたら65℃のお湯で15分ほど火を入れます。これも温度管理は大事で高くとも75℃が限界。それ以上になると美味しい肉汁が出てポソポソとした悪い食感になってしまいます。長い作業の最後の行程ですが油断禁物です。
しっかり火を入れたら完成です。作業終了まで2時間?長い時で3時間くらいかかりますが、出来たてのソーセージを食べれるのは作り手だけです。充実感、達成感がプラスされるので余計に美味しく感じますよ。
ちなみにここまでやらないと成功か失敗かの区別は着きません(今の私の理解では・・・)。で、何が成功で何が失敗かと言うとソーセージの弾力です。成功は弾力がありますが、失敗には弾力がありません。さらに分かりやすく言うと失敗ではソーセージを手で持つと手の跡が残ります。油?(肉汁?)が分離してフニャフニャになっています。食べてもボソボソのハンバーグの様な感じです。最後に祈るようにソーセージを手に持って確認してください。弾力がありしっかりとしたソーセージが最高です。
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お店ではつまみ食いをする訳には行かないので、流水と氷水で荒熱を取り冷凍庫で保存します。そして、ご注文を頂いたらオーブンで焼き目を付けて提供しています。
こだわりホットドック
美味しいよ〜是非食べてくださいね〜。

以上、ソーセージ作りでした〜。
posted by macca at 00:00| 料理、試作など